この度、nap galleryでは4月1日(土)から4月30日(土)まで、仙谷朋子 個展「Life」を開催いたします。3年前、作家は39日間の船内の生活をすることとなりました。赤道近くの海では、地球=生命体への畏怖を戸惑いながらも受けとめ、船内という限定された非日常の中での生活を作品に昇華させています。約4年ぶりとなる個展となります。どうぞご高覧下さいませ。
[Life]
船に乗る機会を得たのは4年前のこの時期(3月)。
39日間の海上生活ではTVも携帯も使えない。
港を離れるにつれ陸地は島と映り、島は線に、そして点となり、いつしか他の船の姿もみえなくなる。
360°見渡せば、水平線は丸みを帯びていた。地球は本当にまるいのだ。
たくさんの風にあたり、濃い青の海面に囲まれ、揺られに揺られた生活は、
想像していた以上に自分にとってキョーレツでありキツかった、ようだ。
海が、時には牙を剥き襲いかかってくる大きな存在だということを、私たちは知らされ突きつけられた。
しかし、太陽の光をきらっきらに反射する海面。
まるで絹のような、肌のような、滑らかで、ゼリーのような、
あまりに厚みのあるその液体は、強くて、優しかった。
撮った写真を消化できないままでいた。
仙谷 朋子